効果的なプロジェクトの設計 : 児童・生徒の興味関心を引き出す
足元で地球が動く 
足元で地球が動く
 

概要

学年:
小学校5~6年, 中学校
教科: 理科
総時間: 21時間
 
単元の概要
地震の性質とプロセスを理解するための取り組みとして、生徒は Web 上で公開される地震データを追跡して、地震活動を地図上に地理座標でリアルタイムに記録していきます。このアクティビティーにより、地震はランダムに発生するものではなく、一団となって発生するものであることが明らかになります。またさらに調査を進めることで、生徒は地震の発生と地球の構造プレートの動きとの関係を発見することができます。生徒はこの科学的な情報を使用して、個別の地域の地震準備プランを作成します。この実習に続いて、生徒は地層の形成および地質上の歴史の観点から、地殻について研究します。

カリキュラム構成質問

  • 本質的質問
    変化によって将来にどのような影響があるか ? 
  • 単元質問
    地震はここでも発生するか ?
    地震に備えた安全対策はどのようにとればよいか ?
  • 内容質問
    地震の発生場所は地殻の境界と関係があるか ?
    地震の発生にはパターンがあるか ?
    地震データはどのように測定されてまとめられるか ?
    地震とその他の自然災害にはどのような関係があるか ?

学習活動の詳細
導入・課題設定 
指導のための準備
この研究に先立って、生徒は地球の球面を表現するためにどのように地図投影法が発達したかを理解し、地図上に緯度と経度の地理座標を書き込む方法を学習する必要があります。最小 11 x 17 インチの寸法の世界地図を複数用意します。

(1日目)
<教師の投げかけ> (本質的質問)
「変化によって将来にどのような影響があるか ? 」 という質問を視覚的に提示します。
  • この質問について、生徒に 5分間かけて答えを書く。
    • 地震というトピックへの導入として、まず地震発生時とそれによる被害の様子を示すビデオを見せます。最近発生した地震の被害を報道する本物のニュース・クリップも、生徒に研究内容に対する関心を起こさせるのに役立ちます。
  • このディスカッションはクラス全体で行うか、またはグループ・ディスカッションにします。
    生徒に小グループでそれらのアイデアについて話し合わせます。
    • <教師の投げかけ>
      次の質問を提示します。
      • ビデオに映っている人たちは、地震が発生するという事前通告をどの程度受けていたと思うか ?
      • 地震に備えた安全対策はどのようにとればよいか ?
      • 地震はここでも発生するか ?
      • 科学者はどのように地震を特定するのか ?
      • これらの質問によって、他にもさまざまな質問が喚起されます。
  • -1各グループで記録係を選び、地震に関して取り組みたい質問を出していきます。記録係は 4 x 6 インチの質問カードにこれらの質問を 1つずつ書き留めます。 
    • カテゴリーの例としては、原因、地震の大きさを表す言葉 (最悪、最大、最強) 、歴史、分類体系、地質などが考えられます。トピックによってグループ分けすることで、これらの質問とその答えが単元のグループ・プロジェクトの一環として位置付けられます。
  • -2グループを再度召集して質問について話し合います。重複する質問カードを取り除いて、それらのカードを論理的なカテゴリーに分類し、次の日の発表に備えます。

    <使用ツール>
    プロジェクター・スクリーン・コンピューター・動画再生ソフト

調べ
(2日目)
<教師の投げかけ>
地球のどこかで 1日に人間が認識できる地震がどれだけ発生していると思うかを生徒に尋ねます。 
  • 質問に対する予測を記録
  • 予測した内容を生徒に記録させ、単元の後の段階で得られるデータと比較できるようにします。
    • <教師の投げかけ>
      今いる場所で、大地震が次の年に発生する可能性はどの程度と考えるか、また今後 100年ではどうかを尋ねます。
  • 生徒をそれぞれのグループに割り当て、地震に関する人々の経験を聴取するための調査用の質問を、グループ単位で作成させます。

    質問の例としては次のようなものが考えられます。
    • 地震を感じたことはありますか ?
    • もしあれば、そのときあなたはどこにいましたか ?
    • その地震が起きたのはいつですか ?
    • その地震のマグニチュードはわかりますか ?
    • 何か被害が発生しましたか ?
    • 大地震が来年この地域で発生する可能性は、何パーセント程度だと思いますか? 今後 100年ではどうですか ?
    • 世界では、最近どこで大地震が発生しましたか ?
    • 次はどこで大地震が発生すると思いますか ?
    • 最もよく知っているのはどの地震ですか ?
    • どのような種類の人口統計データ (年齢、性別、または国籍など) がありましたか ?
  • 質問をまとめ、並べ替えて、最終的な質問事項を決定します。
  • 宿題として、各生徒に、クラスで作成した調査表を使用して、さまざまな年齢の 10人の人々 (地元または離れた地域でもよい) について聞き取り調査を行わせます。生徒には、収集したデータに基づいて、調査結果の報告 (DOC 47KB) を書かせる。    

まとめ
(3日目)
表計算ソフトの機能を使用して、さまざまな形式のグラフで調査結果を表現できることを生徒に示します。
この授業に先立って、調査結果のデータを表計算ソフトを使用して 1つにまとめます。 
  • 調査が行われた場所を世界地図の上で示し、地震発生のパターンまたは頻度について何らかの結論が導かれるかどうかを話し合います。
  • 個人用の課題として、1つまたは複数の質問によって得られた調査データを基に、生徒に地震グラフ (DOC 92KB) またはチャートを作成させ、結果についての解釈を行わせます。
    • これらの調査データを扱うことは、データを整理した上で提示してメッセージを伝達するための練習になります。 
    <使用ツール>
    表計算ソフト・コンピューター・プロジェクター・スクリーン

基礎知識
(4日目)
  • 地震についての基礎知識を理解します。
    • Earthquake 101 Web サイト* (英語) を使用して、地震についての基礎知識を与え、地質図の種類を確認します。
    • 地震の分類体系 (マグニチュードおよび深さ) について説明します。このエクスプロラトリウム・サイトは、リヒター・スケールとは何か (So what's the Richter Scale, anyway?* (英語))について説明をするのに役立ちます。ここで基数システムとしてマグニチュード* (英語)の概念を教えます (基数が 10であることから、マグニチュード 4.6 の地震はマグニチュード 3.6 の 10倍の規模になります) 。
    <使用ツール>
    プロジェクター・スクリーン・コンピューター・インターネットブラウザー

参加・実践
(5日目)
生徒をタスク・フォースに割り当てます。タスク・フォースでは、包括的な地震準備プランを作成します。このプロセスでは指針として単元プランルーブリク (DOC 67.5KB) を使用します。
  • 世界を地区に分けて、各タスク・フォースに地球の 「スライス」 を割り当てます。
    たとえば、地球の赤道から北極点までを南北に 8等分し、中米から国際日付変更線までを東西に 8等分すると、それぞれ緯度 0 o-90o N、経度 90o-180o W と表されます。
    • <教師の投げかけ>
      「地震はここでも発生するか ? 」 および 「地震に備えた安全対策はどのようにとればよいか ? 」 という質問を提示します。
    • 各プランは次の要素で構成されなければなりません。
      • 政府広報および緊急放送システム
      • 土壌分析および建造物ガイドライン
      • 予測に使用される機器についての説明
      • 地図上に分類体系と合わせて表示される予測データおよび地震データ
      • 地震の発生パターンの分析
      • 各地域の地震発生履歴の視覚的表現
      • 地震とその他の自然災害との関係についての調査
    • タスクを分割して、アクション・プランを作成。
      作業の種類と担当者、実行する時期を明確に。 
      • タスクを分割して、アクション・プランを作成する必要があることをグループに伝えます。ここでは、作業の種類と担当者、実行する時期を明確にする必要があります。また、プランを提示するフォーマットも選択します。

(6~11日目) 作業日およびミニ・レッスン
United States Geological Survey (USGS) Web サイト* (英語) に、地震データがリアルタイムに提示されていることを生徒に示します。
  • 各グループに 1日 20分ずつ、10日間、地震データを地理座標を使用して記録させます。1人または 2人の生徒がデータの記録を行い、グループの他のメンバーがプロジェクトに取り組めるように、データを分割するように生徒に促します。
  • 各グループは、地球上どこでもリアルタイムで地震データを受け取れる、電子メール通知* (英語) の登録を行います。
    • データの意味を生徒が理解できるように、Finding an Earthquake' s Location (地震の発生場所の特定) のサイト* (英語) を生徒に教えます。ここでは、どのように地震データが得られるかを見ることができます。
    • これに続く数日間、「インターネット・リソース (DOC 29.5KB)」 セクションにある教師のプレゼンテーション用リソースを使用して、地震に伴う (火山性および断層の動きによる) 地形の変化についてのミニ・レッスン (10分以内) を随時行うこともできます。
    <使用ツール>
    プロジェクター・スクリーン・インターネットブラウザー・メールソフト 

(12日目)
時間の経過とともに、地殻構造プレートの境界部について、あるパターンが見えてきます。
  • 地震データを記した個々のグループの地図をコピーして組み合わせ、生徒の観察結果について話し合います。
  • 生徒に作成した地図とサイト上の地図とを比較させます。
    • paleomaps サイト* (英語) にある、古代の地球の地形および地殻構造の変化のアニメーションを見る。
  • 自宅でのプロジェクトとして、個々の生徒はサイトにあるその他のモデルを作成して、グループ・プロジェクトのレベルをさらに高めることも可能です。
    • USGS Web サイトでは多数の操作可能な材料が提供されています。たとえば、この 3つの断層モデル (DOC 26.5KB) を使用すれば、生徒が視覚的な表現を作成することができます。

比較・まとめ
(13日目)
  • クラス全体で、2番目のセッションで行った予測を、地震データについてのプレゼンテーションで得られた実際のデータと比較します。
  • 最初のセッションで作成した質問のリストを見て、プロジェクトを通じていくつの質問について答えが得られたかを評価します。
    • 次に、プロジェクトで答えが得られる典型的な質問の例を示します。
      • 地震に耐える構造にはどのようなものがあるか ?
      • 地震多発地域ではどのような土壌の上に建造物を建てるのがよいか ? また液状化とは何か ?
      • P 波、S 波とは何か ?
      • この地域では、地震活動の実例 (断層、火山、地震による被害など) をどこで見ることができるか ?
      • 自分で地震計を作ることはできるか ?
      • 地震保険に加入すべきかどうか、人々はどのように決定するのか ?
      • 核爆発が地震を引き起こすことはあるか ?
      • 私がよく行くビーチでは、津波の危険性はどの程度か ?
      • 地震が発生しやすい場所に住んでいるとしたら、救急セットには何を入れるだろうか ?
      • まだ地震を感じたことはないのに、私の学校ではなぜ地震発生に備えた訓練を行うのか ?

評価
(14日目)
  • 生徒に観測データと最終的な地震準備プランを提出させます。
    • このプランは単元プランルーブリク (DOC 67.5KB) に従って、生徒が作成した個々の部分について、またプラン全体として評価されます。
    • この学習段階を経ることで、生徒は調査によって得た経験とリアルタイムのデータの記録を利用して、次の記述式の質問に答えられるようになります。
      • 地震とは何かを説明し、さらに地震によって地表がどのように変化するかについて説明してください。これらの変化は、地球上に住む人間にどのような影響を与えますか ?
      • 地球物理学者は、地震活動を説明するために、さまざまなモデルやツール、システムを使用します。地震科学者の仕事と、そこで地震データがどのように測定、編成されているかを説明してください。
      • 地震はこの地域でも発生するでしょうか ? 観察結果に基づいて、ワシントン州シアトル、ニューヨーク州ロングアイランド、フロリダ州タンパベイ、東京、オーストラリアのシドニーのうち、地震が発生する可能性が最も低いのはどこかを示し、その理由を説明してください。理由を説明する際には、地球科学と地理学に関する用語を使用します。
      • 地震とその他の自然災害との間には、どのような関係がありますか ?

(15~21日目)
  • 生徒は、地震データの記録を 1日 20分、10日目まで続けます。
    • 注 : これらのセッションに要するのは 1日 20分だけで、1日当たりグループごとに 1人または 2人の生徒が、データの記録を行います。残りの時間は、クラスで次の単元の学習に当てます。
  • 必要なすべてのデータが揃ったら、セッション 12を繰り返して、データの再評価を行います。
  • 教師からの質問に答えさせる。
    • <教師の投げかけ>
      生徒に 「地震の発生場所は地殻の境界と関係があるか ? 」 および 「地震の発生にはパターンがあるか ? 」 という内容質問をする。

テラシー・スキル・レベル

  • 表計算ソフトを使用するスキルがあれば有益ですが、簡単なレッスンで教えることも可能です。
  • 生徒はさまざまな種類の地図の見方を知っていて、緯度や経度の値を読み取ることに慣れている必要があります。

児童・生徒別の指導方法
普通レベルの児童・生徒

  • グループ・プロジェクトでは、普通レベルの児童・生徒がいるグループにはアシスタントを割り当て、生徒が有益な貢献ができるように支援することができます。
  • 課題を扱いやすい分量のアクティビティーに分割して、チェックリストに記入します。
  • 読解力に応じた Web サイトを選択して明示することで、生徒はより有益なサイトを利用してリサーチを行うことができます。
  • テクノロジーの面で経験が少ない生徒には、テクノロジーに精通した生徒をパートナーとして割り当てます。 

成績優秀な児童・生徒

  • 地震に関するより複雑な情報を調査するように生徒を促し、その情報をグループ・プロジェクトに役立てるようにします。
  • 生徒に USGS* サイトにアクセスさせます。このサイトでは多数の高度なプロジェクトが紹介されており、これを基に生徒は実験を実施することができます。これらのプロジェクトはグループ・プロジェクトにとっても有益です。
  • 技術的により高度な要素をプレゼンテーションに盛り込むように促します。

評価プロセス
  • 記述式テストを実施し、単元プランルーブリク (DOC 67.5KB) を使用してグループの地震準備プランを評価します。個々の要素も別個の項目として評価し、グループの評価に加味することができます。

 




        お問い合わせ ›


        利用規約 | *法務情報 | プライバシーポリシー ©Intel Corporation